イギリスの原風景に出会える場所──コッツウォルズの魅力とは?

イギリスの原風景に出会える場所──コッツウォルズの魅力とは?

ロンドンから電車で約2時間、イングランドの中央部に広がる丘陵地帯「コッツウォルズ」は、まるで絵本の世界に迷い込んだかのような景観が魅力のエリアです。中世の羊毛産業で栄えたこの地域には、蜂蜜色の石造りの家並み、美しい田園風景、そして穏やかな空気が今も息づいています。 今回は、そんなコッツウォルズの基本情報から、おすすめの村々、見どころ、アクセス方法までを詳しくご紹介します。

コッツウォルズへのアクセス

絵本のような風景が広がるコッツウォルズは、ロンドンから気軽に訪れられる自然豊かなエリア。石造りの家々や美しい田園風景が広がるこの地域は、週末の小旅行やリフレッシュにもぴったりです。ここでは、ロンドンからコッツウォルズ各地へのアクセス方法をわかりやすく紹介します。

電車でのアクセス|主要駅から便利な直通ルート

ロンドンからコッツウォルズまでは、電車で1時間半~2時間程度。以下のような主要駅から出発できます:

  • パディントン駅(Paddington)→ モートン=イン=マーシュ(Moreton-in-Marsh)
    約1時間30分。最もポピュラーなルートで、本数も多め。ここからチッピング・カムデンやストウ=オン=ザ=ウォルドなどへバスやタクシーでアクセス可能です。

  • パディントン駅 → ケンブル駅(Kemble)
    所要時間約1時間20分。サイレンセスター方面を訪れる場合に便利です。

  • メリルボーン駅(Marylebone)→ バンベリー駅(Banbury)
    所要時間約1時間。やや北側のコッツウォルズ(チッピング・ノートン方面)にアクセスできます。

※ほとんどの駅にはタクシー乗り場がありますが、観光シーズンは混雑するため、事前予約が安心です。

車でのアクセス|週末ドライブにもおすすめ

コッツウォルズは公共交通でも行けますが、複数の村を巡るなら車が最も効率的。以下は目安の所要時間です。

  • ロンドン市内中心部から:2~2.5時間(約140km)

    • M40号線またはM4号線経由でアクセス

    • レンタカーはロンドン市内各所やヒースロー空港周辺で利用可能

特に複数の小さな村(バイブリー、アッパー・スローター、ブロードウェイなど)を巡る場合は、車があれば時間を気にせず自由に動けます。駐車場は村の中心に公営や有料のものが整備されています。

ツアー利用という選択肢

ロンドン発の日帰り・一泊ツアーも豊富にあり、以下のようなスタイルが選べます:

  • 日本語ガイド付き観光バスツアー

  • ワイナリーやナショナルトラスト施設を含む少人数制ツアー

  • インスタ映えスポットをめぐるフォトジェニック・ツアー

特に初めて訪れる場合や、英語での移動に不安がある方には安心です。

コッツウォルズとは?──名前の由来と歴史的背景

「コッツウォルズ」という名前は、一般的に古英語の“Cot”(羊小屋)と“Wold”(丘)に由来し、「羊のいる丘」という意味があります。ただし、語源には複数の説があり、「Cod’s-wold(Codという人物の高地)」とする説も存在します。

中世には羊毛産業の中心地としてイングランド経済を支え、豊かな交易の拠点として繁栄しました。しかし、産業革命の波には乗らず大規模な工業化や都市化からは取り残されたため、開発を免れた歴史的建物や伝統的な田園風景が今日まで良好に保存されています。このため、イギリスの典型的な美しい田舎風景として国内外から多くの観光客を集めています。

蜂蜜色の家並み──コッツウォルズ・ストーンの魅力

コッツウォルズの村々では、地域で採掘される石灰岩「コッツウォルズ・ストーン(Cotswold stone)」が伝統的に建築に使われてきました。この石はオオルリチョーク層(Oolitic limestone)に由来し、鉄分を含むために柔らかな蜂蜜色や黄金色に見えるのが特徴です。

この独特の色合いは、村々の景観に統一感と温かみを与え、コッツウォルズの魅力を象徴する要素となっています。特に夕暮れ時には、石造りの家々が太陽の光に照らされて金色に輝き、まるで映画や絵画のような幻想的な光景が広がります。

このコッツウォルズ・ストーンは、英国の多くの歴史的建造物(たとえばブレナム宮殿)にも使用されており、建材としての価値も高く評価されています。

訪れるべき美しい村々

バイブリー(Bibury)

「イングランドで最も美しい村」と称されるバイブリー。アーリントン・ロウと呼ばれる17世紀の石造りの家並みは、イギリスの観光パンフレットにもよく登場するほどの象徴的な景観です。

 

ボートン・オン・ザ・ウォーター(Bourton-on-the-Water)

「コッツウォルズのヴェネツィア」とも呼ばれるこの村は、小川に架かる低い石橋が特徴。川沿いのカフェやアンティークショップをのんびり歩くだけでも、旅気分をたっぷり味わえます。

 

チッピング・カムデン(Chipping Campden)

中世の交易都市として栄えたチッピング・カムデンは、美しいアーケードや歴史的な建物が多く残り、芸術やクラフトの町としても知られています。

 

コッツウォルズでの過ごし方

ハイキングと自然散策

全長164kmに及ぶ「コッツウォルズ・ウェイ」は、穏やかな丘陵地帯を縦断する人気のハイキングコースです。豊かな自然に囲まれたルートは初心者から経験者まで楽しめ、野鳥の観察や四季折々の花々を愛でながらのんびりと歩くことができます。途中の村々ではカフェ休憩もでき、自然と歴史が調和した美しい景観を満喫できます。

歴史的建築やガーデン巡り

コッツウォルズにはナショナルトラストが管理するスノースヒル・マナーやバイブリーなど、魅力的なマナーハウスや伝統的なコッツウォルズ石造りの家々が点在しています。美しく手入れされた庭園では、英国式ガーデニングの粋を感じられ、歴史ある建築物の細部に宿る職人技や趣深いインテリアも見どころです。

ティールームとパブでの食事

コッツウォルズの各村には、個性豊かなティールームや昔ながらのパブが数多くあります。地元産の素材を使った伝統的なサンデーローストや地ビール、そしてアフタヌーンティーはこの地ならではの楽しみです。特にティールームでは、スコーンや手作りケーキを味わいながら英国文化に浸ることができます。

おわりに──コッツウォルズが教えてくれる「何もしない贅沢」

観光名所を巡るのではなく、ただのんびりと村を歩き、美しい風景を眺め、ティータイムを楽しむ──それこそが、コッツウォルズの旅の醍醐味です。

都会の喧騒から離れ、時がゆっくりと流れる空間に身を置けば、心も自然と穏やかになるはず。イギリスを訪れる際は、ぜひこの美しい丘陵地帯を旅のプランに加えてみてください。